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創作珍蝶!? [生態 / Biological note]

創作珍蝶 Socolata ghirardellis

s-Socolata_ghirardellis.jpg
▲創作珍蝶 Socolata ghirardellis

 「私のこの一頭」(※)という宿題が出されて、最初に提示された締め切りもとうに過ぎた。みすぼらしい自分の標本箱を覗きこんでは、ため息をつくばかり。久々に晴れた秋空も恨めしく、出張続きの鬱鬱とした日々を、2015年シルバーウィークも過ごしていた。気晴らしに、日本蝶類学会から連休初日に YouTube にアップロードされたビデオhttps://www.youtube.com/watch?t=28&v=4zkKEoCHny0を見て、驚愕する。

 届いたまま封を切ってもいなかった最新号 Butterflies 69 の pp. 39-47 にある関連記事 Bricolage of a portable motor-driven decoy apparatus to lure butterflies を直ちに斜め読み、「○○さんからもらったチョコレートがあったじゃないか!」と膝を打つ。来シーズンこそは「私のこの一頭」を採るためのデコイ第1号が、これだ。性別は不詳。第2号、第3号・・・も作らねば。Rain or shine, there are things to do.

※現在、当会では会員から自慢の1頭、思い出の1頭、あるいは忘れ得ぬ1枚の写真などなどを募集して、一冊の記念出版物にまとめる事業を継続中。

(ブログ編集子のあとがき)
 先日の記事で公開したユニークな「チョウチョウホイホイ」の動画、Youtubeに公開してから好評を博しているようである。このほど研究チームのリーダーである高崎浩幸氏からブログ用に本記事を投稿いただいた。多くのチョウを呼び寄せる、効果的なDecoy作成に余念がない様子がよく伝わってきて楽しい。

Socolata ghirardellis, a rare butterfly decoy created

Submission of an assigned article manuscript with a specimen photo titled "My choicest butterfly" has been long overdue. I looked into my poor specimen collection boxes, and sighed. The blue autumnal sky after a long series of rainy days gave nothing but addition to the gloom of a series of business trips assinged for the Silver Week holidays in 2015. For a pastime, I watched a video which BSJ-T had uploaded on the first day of the holidays in YouTube
https://www.youtube.com/watch?t=28&v=4zkKEoCHny0
I was appalled, and immediately skimmed through the related article "Bricolage of a portable motor-driven decoy apparatus to lure butterflies" in the latest issue of Butterflies, 69, left untouched for weeks, on pp. 39-47. I tapped my lap, and whispered to myself, "There is the chocolate which XX gave me!" This is it, Decoy No. 1, sex unknown, to lure "My Choicest Butterfly" in the next season! I have to make No. 2, No. 3,.... Rain or shine, there are things to do. 



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【動画】吸い戻し行動とは / Movie File: On sipping behavior of Woodland Brown (Lopinga achine) [生態 / Biological note]



【動画】吸い戻し行動とは?

 セセリチョウやタテハチョウの仲間で、乾いた鳥の糞や果実に止まり、腹端から水滴を出して湿らせて液体を吸う行動を野外で観察された方も多いと思う。これは「吸い戻し行動」と呼ばれ、液体でしか栄養摂取できない蝶では、有効な行動と思われる。
 この吸い戻し行動で、腹端からではなく、口吻から液体を出して湿らせ、同じ口吻で吸汁するという興味深い行動が観察されている。20年ほど前に当会会誌Butterflies No.5に昆虫写真家の松香宏隆氏が鮮明な写真とともに報告している。実際にどのような行動なのかは、ご本人も「これがビデオなら一目瞭然なのにと思ったのだった」と書いておられるが、写真で説明するのはなかなか困難なようにも思える。
 あれから20年。幸運なことに、先日山梨県でウラジャノメを撮影中にこの行動を記録することに成功したので、早速紹介したい。ウラジャノメの♂が乾いた砂利の上で吸水していたので、接近してみた。近くにいくらでも湿った場所があるのに、なぜこんな乾いた場所で吸水しようとしているのか訝しく思ったものだったが、撮影中に、口吻が触れた小石の表面が濡れてきているのに気付いて大変驚いた次第。この場所の近くに工事現場があったので、セメントか何かウラジャノメの好む化学物質が付着していたのだろうと推察した。
 去年の傑作、アカシジミの産卵シーンを撮影した時にも痛感したが、このようなシーンを手軽な機材で鮮明に撮影できるような時代になったことはつくづくありがたいと思う。

(参考文献)松香宏隆. 1993. オニミスジの吸水、変わった吸い戻し行動. Butterflies 5: 1-2.

Athyma larymna (Butterflies No. 5).jpg
▲オニミスジ(Athyma larymna)の同様の吸い戻し行動(Butterflies No.5より)



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基本問題と応用問題~ミスジチョウの幼虫探索 [生態 / Biological note]

Neptis philyra larva-1.jpg
▲カエデの枯葉に静止するミスジチョウの越冬幼虫

 基本問題と応用問題~ミスジチョウの幼虫探索

 日本では蝶類の生態解明は主にアマチュア研究者・愛好家の努力によって戦後急速に進み、現在では生活史がいまだによく分かっていない種類はタッパンルリシジミを除いて存在しないとされる。すでに成熟期、円熟期に入った日本の蝶界において、いわゆる標本の蒐集を志向しない「生態屋」の皆さんはアジアを始めとする国外にその活躍の場を移している。その成果の極致が、五十嵐邁・福田晴夫共著の「アジア産蝶類生活史図鑑Ⅰ、Ⅱ」(東海大学出版会)であり、小岩屋敏著の「ゼフィルス大図鑑」(むし社)であろう。

 さて、蝶愛好家は長い冬をどう過ごすのか。冬の楽しみのひとつにミスジチョウの幼虫探索がある。ミスジチョウは北海道から九州にかけての低山帯から山地に広く分布する蝶で、幼虫で冬越しする。幼虫はカエデの葉の葉柄を吐糸で落ちないようにくくりつけ、葉の上に留まって長い冬を過ごす。他の葉は落ちてしまうから、カエデの木に残っている葉を探すと幼虫がついているわけで、発見は割にたやすい。幼虫は愛嬌のある姿でなかなかかわいい。

Neptis philyra larva-2.jpg
▲ミスジチョウの越冬幼虫(拡大)

 このミスジチョウが属するNeptisは国内に6種類を産するが、国外では中国大陸を中心に80種ほどが記録されている大きな属である。生活史は大陸のものはほとんど分かっていなかったが、小岩屋敏氏をはじめとする日本人の生態研究家たちによって、次々に明かされてきた。その成果の一部は当会会誌でも報告されている。
 こうした報告に目を通すと、基本的には探索の方法は日本のミスジチョウと変わらないように思える。たとえ食樹が違っても、枝先に残る怪しい「枯れ葉」に注目するところなどは同じである。それはあたかも日本のミスジチョウという「基本問題」で学んだ手法を、大陸の別種という「応用問題」で試してみるようなものだろう。
 日本のお家芸ともいえる蝶の生活史解明、現在ではアジア各国にも研究者、愛好家が育ち始めているので、その先陣争いは熾烈なものとなってきているようだ。
 
Butterflies No.42-1.jpg
▲中国産ミスジチョウの幼生期(Butterflies (Teinopalpus) No.42より)

Butterflies No.42-2.jpg
▲中国産ミスジチョウの幼生期(Butterflies (Teinopalpus) No.42より)

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【動画】アカタテハの産卵行動 / Movie File: Ovipositional behavior of Vanessa indica [生態 / Biological note]



【動画】アカタテハの産卵行動 
 野外に無数に生えている数多の植物の中から、自ら産卵する食草を見つけ出す能力が母蝶にあることはまさに驚嘆の一語であると思う。いったん食草の周辺に到達すると、母蝶は手当たり次第に周辺の葉を脚で叩き、目指す食草を見つけ出そうとする。蝶は前脚跗節に接触化学受容器と呼ばれる「味覚器」を持っているため、この部位で目指す食草かどうかの言わば「味見」をしているわけである。
 タテハチョウ科の場合、通常は胸部に折り畳まれている前脚でこの行動をおこなう。紹介した動画はアカタテハの産卵行動で、食草のカラムシ葉の表面を前脚で叩いているのが分かる。野外でこうしたシーンを見るのはそう簡単ではない。
(沖縄本島 2009年9月)

Vanessa indica.jpg
▲通常のアカタテハ静止姿勢。前脚が折り畳まれているのがわかる
▲Usual style of the adult butterfly. Forelegs are folded on the thorax.
forelegs of V. indica.jpg
▲前脚のアップ
▲Forelegs magnified.

[Movie File] Ovipositional behavior of Vanessa indica 
It is amazing that butterflies can select their foodplants correctly to lay eggs from numerous kinds of plants growing in the field. Once the mother butterfly successfully comes near to her foodplant then she starts to drum the surfice of nearby leaves at random to find the real one. This is because the butterfly has the chemotactile receptor on its foretarsus so it tries to "taste" the plant chemically by this behavior.
 In the case of Nymphalid butterfly, it uses the forelegs which are usually folded on its thorax. This video is the female of Indian Admiral (Vanessa indica) which is drumming its foodplant, Ramie (Boehmeria nivea) by its forelegs. In the field, it is not easy to observe such an interesting behavior.
(Okinawa, JAPAN September, 2009)


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【動画】アサギマダラの匂いつけ行動 / Movie File: Scent marking behavior of Parantica sita [生態 / Biological note]



【動画】アサギマダラの匂いつけ行動
 アサギマダラなどマダラチョウの♂では、翅の発香鱗を尾端の毛束(ヘアペンシル)でこするような行動が見られることがある。これは配偶行動に密接に関連していると考えられ、この時には通常格納されている毛束が露出した状態となっている。発香鱗は♀を誘引するフェロモンを放つことから、毛束に発香鱗を付着させ、配偶行動の時にはこのフェロモンの付いた毛束を使うとみられている。いわばこれは配偶行動に向けた準備行動とも表現できよう。興味深いことには、この行動をとっている最中に、あたかも周囲にフェロモンを充満させるかのように翅をパタパタと開閉する行動が見られることもある。
  (石垣島 2010年6月/沖縄本島 2009年10月)

Scent marking behavior of Parantica sita-1.jpg
▲パタパタと翅を開閉し、あたかも匂いをあたりに充満させようとする行動
A male flutters its wings as if he tries to cause the pheromone to permeate

Scent marking behavior of Parantica sita-2.jpg
▲尾端の黄色いヘアペンシルが見える
The yellow hairpencil on the tip of the abdomen is exposed

[Movie File] Scent marking behavior of Parantica sita 
Males of Chestnut Tiger (Parantica sita) are known to have this behavior which is closely related to the mating behavior. The male scrubs the scent scales on the hindwing by the tip of his abdomen. The hairpencil on the tip of abdomen is exposed. It is assumed that the male collects scent scales which give off some pheromone on his hairpencil. When the male try to mate the female, he uses the hairpencil with the pheromone. Thus this behavior can be explained as the preparation for the mating. Interestingly males sometimes flutter their wings as if they try to cause the pheromone to permeate.
(Ishigaki-jima, Okinawa, JAPAN June 2010 / Okinawajima, Okinawa, JAPAN Oct. 2009)

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【動画】アカタテハ蛹の防御行動 / Movie File: Defending behavior of A nymphalid pupa [生態 / Biological note]



【動画】寄生蜂に対するアカタテハ蛹の防御行動

 タテハチョウ科の垂蛹は、産卵しようとする寄生蜂に対して激しく身を揺すって防御行動をとることはこれまでにもいくつか報告がある。こういう行動は動画で紹介すると雰囲気がよく分かって面白い。今回、「生態」というカテゴリーを新たに設け、紹介することにした。
 貴重な映像を提供してくださったアキノ隊員に御礼申し上げたい。最終的にこの蛹は羽化したのだろうか。
  (沖縄本島にて 2012年5月)

Vanessa indica pupa (in the nest).jpg
▲巣の中で蛹化したもの、こちらの方が寄生蜂の攻撃は受けにくいか?



[Movie File] Defending behavior of A nymphalid pupa 

Nymphalid pupae sometimes defend themselves against parasitic wasps by heavy rotary movements. This behavior has already been reported in papers but this time we introduce it in video file. Video is much more eloquent than text information.
The author of this blog shows his deepest gratitude to Akino-taiin (Okinawa) for providing this interesting video.
(Okinawajima, Okinawa, JAPAN May 2012)

Vanessa indica pupa (in the nest).jpg
▲A pupa in the nest. It seems to be easily overlooked by parasitic wasps.

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