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【動画】カタクリを訪れたギフチョウ / Movie File: Japanese Luehdorfia (Luehdorfia japonica) with a flower of Dog-tooth violet [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]



【動画】カタクリを訪れたギフチョウ
 寒かった冬もようやく終わり、ことしも春が来た。毎年のことながら、ついついギフチョウを紹介する記事を書く気になってしまうのも、日本に生まれた蝶愛好家として仕方のないところなのかもしれない。去年撮影し公開しなかった、カタクリを訪れるギフチョウの動画を公開しよう。ギフチョウの学名はLuehdorfia japonica、カタクリの学名もErythronium japonicumとあっては、このシーンはまさに世界に誇れる日本の自然と言って良いのではないだろうか。
 ことしの春もこういう春の女神の艶姿が見られることを願いたい。カタクリを訪れるギフチョウは滞在時間も短く、なかなか落ち着いて撮影できない。この動画も少しスローをかけていることを了解されたい。

L. japonica (Mating).jpg
 ▲交尾中のギフチョウ(上が♀)
(新潟県長岡市にて 2012年4月に撮影)




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【動画】ムラサキシジミ / Movie File: Japanese Oakblue (Narathura japonica) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]



【動画】ムラサキシジミ

 ムラサキシジミ(Narathura japonica)はよくArhopalaという、およそ200種を擁する大属に含めて扱われることも多い。本邦にはルーミスシジミ(Panchala ganesa)とムラサキツバメ(Narathura bazalus)が近縁種として分布している。この3種の中では本種が最も普通種として見られることも多いが、世界的に見た場合には最も分布域が狭いのが本種だったりする。こういう例は、たとえばクモマツマキチョウとツマキチョウのように、極東の島国である日本では枚挙に暇がない。本種ムラサキシジミは国外では韓国南部と台湾に分布が知られるのみで、未だに中国大陸から正確な記録を欠く。
 ムラサキシジミは関東から九州まで、市街地の公園などでもよく見かける馴染みの深い種である。ちょっと目を凝らせば、意外なほど身近に棲息していることに気づかされる。美しい翅表を拝めるのは主に晩秋になってからと越冬後で、盛夏は林内にひっそりと止まっていて、なかなか美しい翅表を拝ませてもらえない。
 今回動画で紹介したのは、秋深くなってから羽化した個体なのだろうか、越冬後にもほとんど破損が見られなかった。

Narathura japonica.jpg
▲日光浴する♂。♀よりも紫色が濃く、前翅中室までよく発達するのが♂の特徴
(東京都八王子市にて 2013年2月に撮影)




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東京から消えたシジミたち(その2) / Extinct "Blues" in Tokyo (Part 2) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

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▲東京都産のシルビアシジミ♂(日野市、1955年9月)

東京から消えたシジミたち(その2)
 前回に続き、2回目はシルビアシジミを紹介したい。シルビアシジミはかつて多摩川中流や荒川下流(江戸川区)の河川敷に生息していたとされる。(『東京都の蝶』、西多摩昆虫同好会、1991年) 1960年代にはいずれの産地からも絶滅してしまったらしい。図示したのは1950年代の多摩川中流域での採集品である。採集者によれば、日野駅から立川駅方面に向かって線路を歩き、多摩川にぶつかる手前まで盛り土をした線路の両側の土手にシルビアシジミが見られたということである。線路の上を採集しながら歩いたとは、いかにものんびりした当時の様子をしのばせる。現在では数分おきに中央線が行き交う中、線路の上など危なくて歩けたものではないし、見つかったらすぐに警察に通報されてしまうだろう。
 採集地付近は現在でも地形は大きく変わっていないと思われるが、残念ながらシルビアシジミの姿はまったく無い。
 シルビアシジミは全国的に衰亡が激しいが、一方で絶滅したと思われていた和歌山県でごく最近再発見されるなど(リンク先参照)明るい話題もあるようである。さすがに東京都で再発見するのはかなり厳しそうにも思えるが、もしかしたら、という希望は微かに残っている。

Z. emelina female UP.JPG
▲東京都産のシルビアシジミ♀(日野市、1954年9月) 
 
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東京から消えたシジミたち(その1) / Extinct "Blues" in Tokyo (Part 1) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

argyrognomon male 1953 UP.JPG
▲東京都産のミヤマシジミ♂(日野市、1953年9月)

東京から消えたシジミたち(その1)

 戦後、急速に都市化が進んだ日本の首都・東京から消えたチョウは数多い。これまでにも当ブログではギフチョウを取り上げたことがあり、人気種ゆえかさすがにこの記事には多くのアクセスがあった。
 今回、続編として2回シリーズで、東京から消えた2種類のシジミチョウについて紹介したいと思う。まず1種目はミヤマシジミである。ミヤマシジミは各地で減少が伝えられているが、現在でも栃木県、山梨県や長野県では健在で、産地に行きさえすればその姿を見ることはそれほど難しくない。だが、本種がかつて東京都でも見られたことを知る世代はもう古稀を過ぎるほどになってしまった。有名だったのは東京都立川市や日野市にまたがる多摩川の土手であった。時期になると線路沿いや川の土手に可憐な姿が見られたという。1960年代には絶滅してしまったと考えられている。

argyrognomon female 1953 UP.JPG
▲東京都産のミヤマシジミ♀(日野市、1953年9月) 

 上に図示したのは東京で古くから蝶屋をしている先輩のコレクションに所蔵されている1ペアで、保存状態も良い。1953年といえば朝鮮戦争の頃で、大切に保管されてきたとはいえ、高温多湿の日本でよくこれほどの保存状態で残っているものだと感心する。

 と、これで話が終われば簡単だったのだが、じつは驚くべき情報を最近になってブログ編集子は入手した。ミヤマシジミが東京から絶滅したと考えられてから20年も経った1987年に、東京都の、しかも都内の世田谷区二子玉川でミヤマシジミが採集されているというのだ。その標本は以下のものである。

argyrognomon male 1987 UP.jpg
▲東京都産のミヤマシジミ♂(世田谷区二子玉川、1987年10月)
argyrognomon female 1987 UP.jpg
▲東京都産のミヤマシジミ♀(世田谷区二子玉川、1987年10月)

 これらの標本が保管されているのは当会の事務局がある進化生物学研究所、採集者はこの研究員として活躍したS氏である。S氏から直接話を聴いたという研究所の青木、山口両主任研究員によれば、当時中学生だったS氏はこのチョウがミヤマシジミであることを認識し、ネットを持って周辺をくまなく探索して採集したのだという。この結果、同日に3♂2♀が得られ、すべて標本が残っている。偶産や放蝶由来のものとはちょっと考えづらく、1987年当時、二子玉川にはミヤマシジミがまだ生息していたのだと考えざるを得ない。

 この話を聞くと、居なくなったと簡単に決めつけることは早計であり、くまなく捜せばまだ広大な多摩川のどこかにミヤマシジミが生き残っているのではという気にもなる。

 今回、この貴重な記録を紹介することで、新たな朗報が届かないかと期待する次第である。



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【動画】ジャノメチョウ / Movie File: The Dryad (Minois dryas) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]



【動画】ジャノメチョウ
 なぜいまジャノメチョウなのか? 訝しく思われる方もいるかもしれない。当会の現会長がアジア地域のジャノメチョウの世界的権威であるということはとりあえずまったく関係ない。要は記念すべき2013年の最初の記事で何を書くのかを思い悩んで、ズルズルと正月休みを空費した挙句、「巳年」ということから蛇にちなんだ何かを書こうと思い立ち、まずは蛇そっくりのツマベニチョウの幼虫の画像でも紹介しようと思ったが、良い画像が手元に無かった。それならば「ヒロハヘビノボラズ」を食草とするミヤマシロチョウという苦しいコジツケでAporiaの記事を書こうとしたものの、これまた書くことが見当たらない。やむなく「蛇の目」ということでオーソドックスにジャノメチョウを動画で紹介することにした。今年も前途多難な年になりそうである。
 前置きが長くなってしまったが、ジャノメチョウ(Minois dryas)は多くの人にもお馴染みの普通種である。町はずれの河川敷で、あるいは夏の高原で、このチョウの姿を見た方も多いと思う。オスに比べてメスは不活発で、通常は藪に潜んでいる。近づくと不意に足元から飛び立って、驚かされることも多い。
(山梨県北杜市にて 2012年7月)

Minois dryas.jpg
▲日光浴をするオス。新鮮な個体は渋い美しさで目を引く
(山梨県富士吉田市にて 2008年7月に撮影)




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【大会講演紹介】青森県におけるアカシジミの大発生 [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

Japonica outbreak-1.jpg
▲異常発生した成虫群と蛹群([コピーライト]工藤誠也)

 【大会講演紹介】青森県におけるアカシジミの大発生(工藤誠也)

Japonica outbreak-2.jpg
▲下草には赤い花びらのようにアカシジミの成虫が([コピーライト]工藤誠也)

 ここ数年、青森県の一角でアカシジミが異常に発生していることは当ブログでも紹介し、大きな反響を呼んだ。(まだご覧になられていない方はこちら
 この現象については多くの人が知るところとなり、ブログや動画などでも紹介されるようになってきている。しかし、現象が起きた当初からいち早く着目し、継続して観察しているという点においては、演者の工藤誠也氏をしのぐ人は見当たらない。氏は地元の強みを生かし、季節を通して現地に通いつめ、この不思議な現象をつぶさに観察してきている。その蓄積には、素直に敬意を表したい。
 今回、工藤氏は当会の大会でこれまでの数年間に及ぶ観察を集大成するような発表をして下さる。カメラマンとしても名高い氏の素晴らしい画像・映像の数々が報告されるであろう。 

大発生の中には、果たして「異常型」も多発したのか!? 当日のお楽しみ!!

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【動画】クロツバメシジミ / Movie File: Fischer's Cupid (Tongeia fischeri) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]



【動画】クロツバメシジミ
 クロツバメシジミはシベリア、中国北部、朝鮮半島などユーラシア東部に広く分布する種で、日本では中部地方から九州にかけて分布が知られる。日本の愛好者にとって本種が人気が高い理由として、本種は大方の蝶が姿を消した秋遅くまで姿が見られることに加えて、斑紋に微妙な地理的変異が見られることが挙げられる。愛好者の中には各地の個体を出来る限り多く集めて、その微妙な変異を深く知ろうと努力している人もいる。食草はツメレンゲやマンネングサなど多肉植物で、このためこうした植物が生える崖や石垣などが棲息地となる。古い民家の屋根に発生することもある。
(長野県松本市にて 2012年10月)

Tongeia fischeri male.jpg
▲日光浴をする成虫。翅表の黒色部は太陽光のもとでは虹色に輝き美しい。
▲A adult butterfly basking. Blackish upperside has faint gloss under sunlight.  

Foodplant; Orostachys japonica.jpg
▲食草のツメレンゲ。秋には穂が立って花が咲き、成虫の吸蜜源ともなる。
▲Foodplant; Orostachys japonica In autumn numerous small collective flowers bloom in ears. These flowers are good nectaring sources for adult butterflies.

[Movie File] Fischer's Cupid (Tongeia fischeri)

 Fischer's Cupid (Tongeia fischeri) is a small Lycaenid butterfly which ranges broadly in eastern Eurasia. In Japan it can be seen from central to southern district. This species is popular among some Japanese butterfly enthusiasts because it flies until late in autumn after other butterfly species disappear. In addition it has a slight local variation in its wing markings, so some enthusiasts are eagerly collecting as many specimens as possible from various localities. Larva feeds on succulent plants such as Orostachys japonica.
(Matsumoto-shi, Nagano, JAPAN October 2012)

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スミナガシとその近縁種 / Genus Dichorragia and its allies [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

スミナガシとその近縁種

ex-pupa.jpg
▲スミナガシ蛹
A pupa of Dichorragia nesimachus

adult butterfly.jpg
▲羽化した成虫
A newly emerged adult butterfly of Dichorragia nesimachus

proboscis magnified.jpg
▲赤色の口吻
A red proboscis of Dichorragia nesimachus

ひょんなことからスミナガシの蛹を入手した。しげしげと眺めるのは久しぶりだが、本当に枯れ葉によく似せている。来年の春まで羽化しないかと思いきや、このところの陽気で唐突に羽化してしまったので慌てて記事にすることにした。標本では色褪せてしまう口吻も鮮やかな赤色で瑞々しい。
和名のスミナガシは、墨汁を水に流した時にできる模様のことを意味し、成虫の翅の模様をこれに見立てたもので、数ある日本産の蝶の和名の中でも屈指の傑作としてとみに名高い。西にネパール、インドのヒマラヤの麓から、東は遥かニューギニアまで広く分布し、わが国での分布の北限は青森県の下北半島となる。
 スミナガシ属(Dichorragia)は本種の他にはninus (モルッカ諸島からパプアニューギニア)とnisseus (中国南西部)の3種からなる小さな属である。このうち「チベットスミナガシ」という和名で知られるnisseusと本種を並べた画像を公開する。左がチベットスミナガシで、何となくスミナガシの異常型のような平板な感じの斑紋である。しかし独立種であることはどうやら間違いないようである。

nesseus and nesimachus.jpg
▲チベットスミナガシ(左;中国四川省産)とスミナガシ(右;中国雲南省産)
D. nisseus(Sichuan, China) and D. nesimachus (Yunnan, China)

 また成虫の斑紋だけ見ると騙されてしまう有名な種に「カバイロスミナガシ」の和名で知られるPseudergolis wedahがある。一見、別名の「ニセカバタテハ」そのものの斑紋で、スミナガシとは縁もゆかりもなさそうだが、幼生期特に蛹の形状はスミナガシとそっくりである。本会会誌No.17に発表された中国産の蛹の画像を紹介したい。上掲のスミナガシの蛹と形状が良く似ているのがお分かりかと思う。

plate of Pseudergolis wedah.jpg
▲カバイロスミナガシの蛹(会誌Butterflies No.17より)
Early stages of Pseudergolis wedah (after Butterflies No.17)

[参考文献]
原田基弘, 1997. 中国産カバイロスミナガシの幼生期. Butterflies 17: 15-17.

The Constable (Genus Dichorragia) and its allies

The author of this blog happened to obtain the pupa of the Constable (Dichorragia nesimachus) the other day. The shape of the pupa looks quite similar to a dead leaf. Unexpectedly the adult butterfly has emerged from the pupa because of the warm weather in Tokyo. Thus here the author of this blog would like to introduce this beautiful Nymphalid butterfly.
The Constable (Dichorragia nesimachus) ranges rather broadly from Nepal or northern India in the west to New Guinea in the east. In Japan northern Honshu (mainland) is the northernmost of its distribution. Genus Dichorragia contains only three species, namely ninus (Moluccas and PNG), nisseus (SW China) and this species. A Chinese species, nisseus is shown above compared with nesimachus. Some researchers argue that nisseus is only a sub-species or mere variation of nesimachus, however it is likely to be a independent species.
The Tabby (Pseudergolis wedah) is known to one of allied species of
Genus Dichorragia although its wing markings are quite different from each other. But if one can study the early stages especially the pupa of both species, it can be easily understood that they are closely related. The figure shown above is from our journal "Butterflies" No.17.

[Reference]
Harada, M. 1997, Early stages of Pseudergolis wedah in Sichuan, China. Butterflies 17:15-17.
 
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横浜にも居た? ゴマシジミ [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

 今ではもう見られなくなってしまった蝶を文献の記録から探すのはなかなか興味深い。今回は神奈川県のゴマシジミについて紹介したい。

 神奈川県のゴマシジミについては、相模の蝶を語る会がまとめた『かながわの蝶』(神奈川新聞社、2000)に標本写真とともに下記のような記述がある。

 箱根山地は、神奈川県では貴重な草地が多かった地域である。その面影は今でも仙石原などに見られるが、以前は広範囲に典型的な火山性草原が残っていた。そのような環境に生息していた蝶たちは、ゴルフ場造成や観光開発によってことごとく消えていった。  (中略)  ゴマシジミも仙石原に記録があったが、戦後はまったく記録がない。(上掲書、58ページ)

 図示された標本はトンボの研究で名高い朝比奈正二郎博士(1913-2010)の採集品で、この個体と、さらに別の2個体が藤岡知夫著『日本産蝶類大図鑑』(講談社、1975)に図示されている。データはすべて同一で、複数個体が採集されたようである。

s-Phengaris teleius Kanagawa UP.jpg
▲神奈川・箱根仙石原産のゴマシジミ[1931年8月24日 朝比奈正二郎・採集] (『かながわの蝶』 p.60より)
Scarce Large Blue (Phengaris teleius) collected in Hakone by Dr. Shojiro ASAHINA [1931-8-24] (after "Butterflies of Kanagawa", 2000)

s-Phengaris teleius Kanagawa UN.jpg
▲同裏面
Ditto, underside

 さて、それではゴマシジミは箱根にしか分布していなかったのか。ブログ編集子の手元に興味深い資料がある。麻布学園生物部の機関紙『テクラ』創刊号(1951)である。オリジナル版はほとんど現存していないと思われる貴重な資料である。私は不完全なコピー版を20年以上前に入手した。この中に石井勉氏による「日吉附近の蝶類」という報告が掲載されている。アゲハチョウ科からセセリチョウ科まで38種類について紹介されているが、この中には何とゴマシジミが含まれているのだ。

s-list-1.jpg
▲「日吉付近の蝶」(『テクラ』創刊号より)
The report on the butterflies of Hiyoshi (after "Thecla" vol. 1, 1951)

s-list-2.jpg
▲ゴマシジミの記述(拡大)
The description of Scarce Large Blue (Phengaris teleius)

Ishii(1951)description on N. fusca.jpg
▲可能性がある種の記述に「クロシジミ」がきちんと含まれている
The Gray-pointed Pierrot (Niphanda fusca) which seems to be confused with Scarce Large Blue (Phengaris teleius) is mentioned in "butterflies can be found"

N. fusca (Kanagawa).jpg
▲神奈川・箱根仙石原産のクロシジミ(『かながわの蝶』 p.59より)
The Gray-pointed Pierrot (Niphanda fusca) collected in Hakone, Kanagawa(after "Butterflies of Kanagawa", 2000)

記述は簡潔で、「ごましじみ 8月頃よりH、F地(編集子注:調査地点の略号)に見られた」というだけである。8月という採集時期を考えても、「(日吉に)いると推定している種」の中に、最も誤同定の恐れが高いクロシジミをきちんと含めている点(上図参照)を加味しても、これは確実な記録なのではないかという気がする。石井氏はご健在なら現在75歳くらいだろうか。直接お会いしてお話を伺う機会は無いかと考えているところである。もし万が一、標本が残っていたら嬉しいのだが。

Old record of Scarce Large Blue (Phengaris teleius) from Yokohama

In Kanagawa Pefecture, Scarce Large Blue (Phengaris teleius) has been known only from Hakone area. The population in Hakone had gone extinct because of development construction of the golf courses or other resort facilities.

The author of this blog has a very precious journal published by Azabu biology club in 1951. It includes the brief report on the butterflies of Hiyoshi, Yokohama area. In this report, Scarce Large Blue (Phengaris teleius) is listed. This record should be precise because other similar Lycaenid species are also listed or mentioned.

The author of this blog wants to meet Mr. Ishii, the author of the report possibly in his middle 70’s to confirm the fact.

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【動画】ミドリヒョウモン / Movie File: Silver-washed Fritillary (Argynnis paphia) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]



【動画】ミドリヒョウモン
 ミドリヒョウモンは日本列島に広く見られる、ヒョウモン類の中でも普通種のひとつである。北海道から九州まで広く分布が知られるのみならず、佐渡島、隠岐諸島、対馬などの離島にも分布が知られる。成虫は花の蜜を好み、多くの花で吸蜜する。森林や小川沿いで多く見られ、草原のど真ん中では数が少なくなる。低標高地では6月初旬から姿を見せるが、まもなく姿を消してしまう。9月から10月にかけて再び見られるようになるが、その間にどこで過ごしているのかはよく分からない。研究者の中には、夏の暑さを避けて高標高地に移動していると主張する人もいる。一方で、高標高地では7月から9月にかけて継続的にみられる。食草はスミレ類。
 本種の♀では色彩のバリエーションが見られる。図示した暗化型は主に西日本で記録されている。正常型と比較すると、一見すると別種のようにも見える。この暗化型は何を隠そう、若き日の当会会長植村好延氏が鳥取県で採集したものである。現在は進化生物学研究所に所蔵されている。
 (山形県山形市にて 2012年9月)



females UP.jpg
▲♀に見られる暗化型(右;鳥取県産)と正常型(左)[進化生物学研究所・所蔵]
Female; Dark form (right; collected in Tottori, eastern Japan) and normal form, upperside (preserved in RIEB, Tokyo)
female UN.jpg
▲同裏面。
Ditto, underside

[Movie File] Silver-washed Fritillary (Argynnis paphia)

Silver-washed Fritillary (Argynnis paphia) is one of the most common Fritillary butterflies seen in most of mainland Japan. It widely ranges from northern to southern part of Japan including some remote islands such as Sado-island, Oki-islands or Tsushima-island. This species likes to visit various flowers. Usually seen near small stream and forest. At low altitude adult butterflies appear from early June but immediately disappear there and again seen from middle September to October. Some researchers claim that adult butterflies of this species migrate from low altitude to highlands to take shelter from the summer heat. In cool places, adult butterflies can be seen continuously from July to September. The larva feeds on viola.
Females of this species are known to have some color variation. Dark form (see figures) is rarely seen mostly in eastern Japan. The above figured dark form was collected in Tottori Prefecture in eastern Japan more than 40 years ago by Mr. Uemura Yoshinobu (President of our society), now preserved in RIEB, Tokyo.
(Yamagata-shi, Yamagata, JAPAN Sep. 2012)

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