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アポイ岳の小さな妖精 [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

アポイ岳の小さな妖精~ヒメチャマダラセセリ Pyrgus malvae

ブログ編集子の身辺多忙ややる気なし病など諸般の事情でブログ更新が途絶して久しい。この間も過去の記事を毎日多くの方に閲覧いただき、申し訳ない気持ちを感じていた。そんな折、横地会長から助け舟が送られてきた。

我が国では北海道・日高山脈のアポイ岳にのみ細々と棲息するヒメチャマダラセセリ Pyrgus malvae の画像である。国の天然記念物にも指定されている本種は、日本産蝶類の全種撮影を志す多くの人たちにとっては難関である。

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▲棲息地を五合目から望む(右端がアポイ岳山頂)

棲息地のアポイ岳周辺は天候が安定せず、僅かな晴れ間にうまく当たらなければその姿を見ることは困難である。その上、昨今の地球温暖化の影響もあって植生が変化し、個体数がこのところ激減しているという。当会の渡辺康之理事は40年余り前の本種発見に関わって以来、継続的に観察を続けられているが、危機的な状況なのだという。

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▲アポイアズマギクで吸蜜する成虫
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▲ヒロハヘビノボラズで吸蜜する成虫

横地会長はこの難関種の撮影にチャレンジすること3回。過去2回は遠征したにも関わらず強風と雨に泣かされ、空しく敗退。ついに本年5月28日、撮影に成功された。快晴の朝、朝5時に出発。5合目の森林限界から上でついにその姿を見ることができたという。午前7時半くらいから活動を始め、朝のうちは砂礫の上を緩慢に飛ぶので撮影のチャンスがあるそうだ。日が上がると活動が活発となり、アポイアズマギクなどで吸蜜する姿を観察できた。今回、下の画像でヒロハヘビノボラズに訪花している画像があるが、この植物は以前には棲息地では見られなかったという。気候変動の影響なのだろうか。快晴の絶好のコンディションでも目撃できた個体数は僅かで、横地会長は「あの個体数ではちょっとしたことですぐに絶滅してしまいそうだ」とコメントした。

現在、危機的な状況にあるヒメチャマダラセセリを保全する活動も行われていると聞くが、可憐な姿がいつまでもアポイ岳で舞ってくれることを願いたい。

※画像撮影はすべて横地隆。著作権は撮影者に帰属します。画像の無断転用は固くお断りします。
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