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もうすぐ春です!!

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年も明け、長い冬も先が見えてきました。あとわずかで初チョウの便りも各地から届きそうです。ことしもチョウの多いシーズンであることを願って、ブログ編集子はただいま冬眠中です。冬眠中なもので、ブログの更新が停滞気味で申し訳ありません。
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会誌No.73発行される!  [連絡 / General Information]

cover No.73.jpg

会誌No.73発行されました! 

 諸般の事情で昨年末大晦日に間に合わせて発行された最新号・No.73の紹介が少々遅れてしまいました! 今号も注目記事が目白押し! ぜひご一読下さい。

Kuriyama, S., Masui, A. and W. John Tennent, "A new subspecies of Eulaceura osteria (Westwood, 1850) from Langkawi Island, Weat Malaysia (Lepidoptera, Nymphalidae)"

日本人愛好家も多く採集・撮影に訪れるマレーシア・ランカウィ島から、新たにオステリアコムラサキの新亜種が記載された。オスは近隣のマレー半島の亜種kumanaと区別ができないが、メスの地色が際立って赤褐色を呈し、前翅に白紋が発達する。

Eulaceura.jpg
▲新亜種yukiyai(上・中の2個体)

Vu Van Lien, "Early stages of some Vietnamese butterflies"

続いてはベトナム国立自然博物館のVu Van Lien氏による、北ベトナム・タムダオで観察された10種の幼生期について。これまでアジア地域での幼生期解明は永らく日本人研究者・愛好家がリードしてきたが、徐々に各国でも自国のファウナに目を向けて観察が進んでいることは喜ばしい。当会がこうした人々のプラットフォームになれば素晴らしいことだと感じる。

Vietnam early stages.jpg
▲スラテリマネシアゲハの幼生期

Michael F. Braby, "The Princess Flash, Deudorix smilis Hewitson, 1863 (Lepidoptera: Lycaenidae), in northern Australia"

最後にオーストラリアのスミリスヒイロシジミの生態についての論文を紹介したい。本種はインドからスンダランド、オーストラリアまで広く分布する種であるが、オーストラリアでは稀種である。野外で本種の生態を詳細に調査したBraby氏は、個体密度が低い本種は成虫になると山頂部や樹冠部に集まって出会いの機会を高めていると推察した。それにしても本種の幼生期はすでに紹介した
イワカワシジミに酷似しており、近縁関係にあることが良く分かる。

Deudorix smilis.jpg
▲貴重な生態写真が惜しみなく掲載されている

 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

Index No.73.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

 会誌は会員外でも1冊3,500円(送料別)で購入できますので、ご希望の方は下記のメールアドレスまでお申込み下さい。

【申し込み先】
welcome_scripts@yahoo.co.jp

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2016年度総会・大会も大盛況!  [連絡 / General Information]

2016年度総会・大会も大盛況! 

postcard2016.JPG
▲参加特典の特製ポストカード

 去る12月10日、東京・文京区の東京大学で恒例の2016年度総会・大会が開催されました。ことしもアジア地域を中心に蝶の最新の知見がプロ・アマチュアを問わず真摯な研究者たちから発表されました。参加者は9年連続で100人を超え、大盛況に終わりました。参加できなかった皆様のために、ダイジェスト版を記事にしますので、少々お待ちください。
 画像は今回の大会のために作成した特製のポストカードです。インドの秘境・アルナチャルプラデシュで撮影された蝶の生態写真。大好評でした。

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2016年度総会・大会のプログラムがほぼ決定!  [連絡 / General Information]

2016年度総会・大会のプログラムがほぼ決定!  

2015集合写真.jpg
▲2015年の総会・大会の集合写真

今年の大会のテーマは「生態」ということで、国内外の蝶の生態についての最新の知見を集めました。なお準備の都合上、参加希望者は必ず事前にお申し込み下さい!!

2016年度会員総会・大会
【日時】 2016 年12 月10 日(土)11:00 ~ 17:00 ※受付・開場は10:00からです。
【場所】 東京大学理学部2 号館4 階大講堂(文京区本郷)

プログラム ※内容・発表順は今後変更する可能性があります。
10:00-    受付開始・入場
【開会】 11:00-11:10 開会挨拶(横地隆 会長)

【一般講演Ⅰ】
11:15-11:30 ○岩田大生・檜山充樹・津波古昌和・大瀧丈二

「環境変化が引き起こすヤマトシジミ(鱗翅目、シジミチョウ科)の斑紋変化と進化」

11:30-11:45 小田康弘
 
「国内のウラギンヒョウモンについて」

11:45-12:00 斉藤光太郎

「ヤエヤマイチモンジの隠蔽種について」

(12:00-13:00 昼休憩)
※この時間帯に理事会を開催します。
※昼食はご用意できませんので、大学構内もしくは周辺の食堂で各自調達下さい。

【会員総会】 13:00-13:30 会員総会(役員人事、予算案承認など)

【一般講演Ⅱ アジアの蝶類研究・最新知見】
13:30-13:45 片山俊彦
 
「ネパールにおけるDelias 属(シロチョウ科)Belladonnaグループの新知見(Delias lativittaの発見)」

13:45-14:00 ○松田陽二・Arjan Basu Roy

「インド北東部Arunachal Pradesh州西部で観察したBhutanitis属に関する知見」

14:00-14:15 ○矢後勝也・ソナム ワンディ・カルマ ワンディ・シェラブ・リンチェン ワンディ・サンゲイ デュクパ・原田基弘・青木俊明・山口就平・斎藤基樹・五十嵐昌子・渡辺康之・前川 優・王 敏

「アゲハチョウ科シボリアゲハ属の系統地理と形態進化」

14:15-14:30 ○Hailing Zhuang, Masaya Yago, Xiaoling Fan, Rei Ueshima and Min Wang

“Species richness and areas of endemism of Zephyrus hairstreaks (Lepidoptera: Lycaenidae: Theclini) in Asia: an NDM/VNDM approach”

14:30-14:50  Krushnamegh Kunte

“Taxonomy of Asian Butterflies in the 21st Century: Case Studies in Island Biogeography and Molecular Systematics”


(14:50-15:00 休憩)

【一般講演Ⅲ 「生態」を巡る話題】

15:00-15:15 ○勝山豊・若原弘之・二村正之

「ラオスのLexias属2種(cyanipardus, albopunctata)の混生地における生態」

15:15-15:30 Yu-Feng Hsu

Recent findings on immature biology of Taiwan butterflies

15:30-15:45 宮城秋乃

「今年観察したフタオチョウの生態」

15:45-16:00 加藤義臣

「オオミドリシジミの「占有行動」について(含動画)」

16:00-16:15 ○久保田瑛子・横地隆・関康夫・長谷川大・宮川崇・斉藤光太郎・山崎敏和・小田切顕一・Vu Van Lien

「中部ベトナム・ホンバ山山頂部における蝶類調査Ⅱ~幼生期編~」

【海外会員特別講演】

16:15-16:45 Krushnamegh Kunte

“Molecular Genetic and Developmental Basis of Mimicry in Butterflies”


【閉会】
16:50-17:00 閉会挨拶(加藤義臣・新会長)

【懇親会】 18:00-20:00 懇親会(東京大学山上会館・談話ホール、恒例のチャリティー・オークションあり)

【参加費】
総会・大会:会員は無料、会員外(ただし学生を除く)は1,000円
※なお、学生は会員外でも無料です。是非お越し下さい。(懇親会は有料です!)

懇親会:会員・非会員とも一般5,000円、学生3,000円
    ※豪華食事付き! お酒もほとんど飲み放題!!

【申し込み方法】
★参加ご希望の方は、必ず事前に下記のいずれかの方法で申し込みをお願いします。

1.メールの場合は… welcome_scripts@yahoo.co.jp ※メールでお返事いただいた方は、こちらで登録して今後ニュースレターの配信等、学会からの連絡に使わせていただきます。お名前をお忘れなく!
2.電話の場合は… 080-3534-9528(番号をお間違えなく!! ほぼ24時間対応可能です)

3.郵便の場合は… 〒158-0098 東京都世田谷区上用賀2-4-28  (一財)進化生物学研究所昆虫研究部門内 日本蝶類学会 事務局 
※郵便の場合、お手数ですがハガキもしくは封書は皆様の方でご用意下さい。

申し込み締め切り:12月5日(月)19時必着!!  
以上です。プログラムは多少の変更がある可能性もありますが、その場合は速やかに当ブログで告知しますので、今後当ブログにご注意下さい。

TAIKAI Program-1.jpg
TAIKAI Program-2.jpg
▲プログラム(画像版)クリックしてご覧ください!

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会誌No.72発行される!  [連絡 / General Information]

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会誌No.72発行されました! 

 編集委員会の奮闘もあって最新号・No.72が発行されました! 今号も注目記事が目白押し! ぜひご一読下さい。

福田晴夫 2007年から日本列島で急増したクロマダラソテツシジミの飛来・発生とその原因

 ことしは西日本で再びクロマダラソテツシジミの発生が確認されており、じつにタイムリーな発行となった。本種は日本では1992年に初めて沖縄県で発生したが、その後2000年代になってからは九州をはじめとする西日本、果ては東日本でも記録されるようになった。福田氏は多くの文献を渉猟し、日本の周辺諸国での状況を分析した結果、近年の本種の分布拡大は中国東南部や台湾での食樹ソテツの植栽の拡大が原因だと結論づけた。

No.72 panadava.jpg
▲多くの文献を渉猟し、詳細なプロット図にまとめた

佐々木幹夫 中国四川省成都近郊のクロオオムラサキ:現状報告

続いて紹介するのは中国の怪蝶クロオオムラサキ(Sasakia funebris)である。クロオオムラサキはかつて中国が渡航も難しく「竹のカーテン」で閉ざされていた時代、長らく幻の種として、本邦の多くの研究者、愛好家の憧憬の的であった。1990年代に入って四川省で多産地が見つかり、国内で標本を見ることも難しくなくなったが、生きた本種の姿を見る幸運に恵まれた人は未だ多くはない。佐々木氏は果敢にも四川省を訪れて本種の生態写真を狙ったが、単に本種に留まらない驚くべき成果を上げられた。詳細はぜひ本文をお読みいただきたい。

No.72 funebris.jpg
▲素晴らしいアングルのカット

 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

No.72 Index.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

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タテハモドキ Peacock Pansy (Junonia almana) [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

タテハモドキ Peacock Pansy (Junonia almana)

 ブログ編集子が多忙にかまけてブログ更新をサボっていたところ、九州の当会会員からありがたい情報提供があったので、久しぶりに更新することになった。今回紹介するのはタテハモドキである。「モドキ」とは似て非なるものを指す言葉であるが、タテハモドキは純然たるタテハチョウ科の種なので、そもそも不思議な和名である。眼状紋が目立つことから「ジャノメモドキ」が正しい和名かとも思うが、昨今は従来の「ジャノメチョウ科」はタテハチョウ科の亜科として扱われることが多いので、これまた矛盾することになる。

 そんな議論はさておき、今回紹介するのは佐賀県のタテハモドキである。
habitat.jpg
▲棲息地 何の変哲もない市街地の駐車場である(佐賀県)
ご覧の通り、市街地の、どこにでもあるような駐車場で発生しているらしい。イメージとしては、最近都心でもよく見られるツマグロヒョウモンに近いような気もする。
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▲日光浴する個体(佐賀県)
こちらは日光浴する個体。本種の特徴である眼状紋がよく目立って美しい。
basking2.jpg
▲日光浴する別個体(佐賀県)

 本種は南西諸島に普通とされるが、ブログ編集子が仕事の関係で沖縄に暮らしていた2000年代前半、本種はかなり稀な種であった。沖縄島では、目撃したのは僅かに数回しか無かったと記憶している。それが九州本土では今や広く見られるようである。今回情報提供いただいた会員の方は宮崎県のご出身であるが、幼少期には宮崎でも稀な種だったとのことである。わずか数十年の間に分布も随分変わっているのかも知れない。

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北海道フォーラム盛会で終了! [連絡 / General Information]

北海道フォーラム盛会で終了!!!

 今月6日、快晴の土曜日に当会始まってから初となる北海道でのフォーラムを開催した。短い北国の夏、快晴の週末なのでフィールドに出たかった方も多かったと思うが、おかげさまで多くの方に参加いただいて盛会となり事務局としては感謝申し上げたい。
 今回のフォーラムでは特別講演として特別講演「図鑑編纂から見えてきた北海道の蝶の生態と研究の現状」と題し、長年にわたり北海道の蝶類研究に大きな貢献をされてきた永盛俊行氏にお願いした。永盛氏のグループでは今年、「完本北海道蝶類図鑑」(北海道大学出版会)を出版されたことから、図鑑編纂の裏話をたっぷりと伺った。限られた時間の中で、広大な北海道を縦横に駆け巡って撮影された成果をもとに上梓された本著はアマチュア蝶類研究家の金字塔ともいえる好著で、ぜひ1人でも多くの自然愛好家に読んでもらいたいと思う。何より、「はじめに」に書かれた以下の記述に同感しない向きは、少なくとも本ブログの読者には1人も居ないと信じたい。
 「身近に触れることのでき、種名がわかる蝶たちは、自然科学や環境教育の素材として大変優れていると思います。(中略)蝶とそれを取り巻く自然を理解しようとし、その大切さに気付く理解者になってほしい。何より野山で虫を追う昆虫少年少女が全国に復活してほしい」(「はじめに」より)
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▲「完本北海道蝶類図鑑」カバー

永盛氏の素晴らしい講演の後は、永盛氏に加えて北海道産の蝶類に関して精通した当会理事の渡辺康之氏、NRCの杠隆史氏に参加していただき、「北海道の蝶いま昔」と題した座談会を開催した。三氏ともに北海道に寄せる思いは並々ならぬものがあり、姿を消しつつある希少種からヒグマとの遭遇譚に至るまで議論風発、時間が惜しいほどの熱の入った座談会となった。
Sapporo forum.jpg
▲北海道の蝶”達人”三氏による座談会

 フォーラムの後は大通公園に面したビルにある中華料理店で懇親会が開かれ、道内外の蝶愛好家が集まって蝶談に花を咲かせた。
 今回のフォーラム開催にあたりお世話になった北海道昆虫同好会の皆さんにはこの場を借りて厚く御礼申し上げたい。

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【告知】北海道フォーラムのプログラムが確定! [連絡 / General Information]

北海道フォーラムのプログラム決定!!

 北海道札幌ACU(アキュ)小研修室1203で8月6日(土)14時から「北海道・夏のフォーラム」を開催します! 特別講演は永盛俊行氏「図鑑編纂から見えてきた北海道の蝶の生態と研究の現状」です。プログラムの詳細は以下の通りです。

14:00~14:05 開会挨拶・横地隆
14:10~15:10 特別講演「図鑑編纂から見えてきた北海道の蝶の生態と研究の現状」 永盛俊行
15:10~16:00 座談会「北海道の蝶いま昔」 永盛俊行・渡辺康之・杠隆史・(司会)16:00~16:10 【休憩】
16:10~16:25 ヴェトナム・ホンバ山の蝶類 長谷川大
16:25~16:40 珠玉の異常型コレクション紹介 菱川法之
16:40~16:55 オランダ・ライデンの自然史博物館 横地隆
16:55~17:00 閉会挨拶・二次会告知など

皆さんのご参加をお待ちしております!!
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会誌No.71発行される!  [連絡 / General Information]

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会誌No.71発行されました! 

 編集委員会の奮闘もあって、No.71が予定よりも少し遅れてしまいましたが、このほど発行されました。今回も充実した内容で、注目記事が目白押し! ぜひご一読下さい。

増井暁夫・玉井大介 雲南省で蝶を採集したフランス人宣教師の足跡を訪ねて

 アジア大陸の蝶に限らず昆虫すべて、いや動植物すべてにおいて、19世紀から20世紀初頭にかけて宣教師たちが大きな貢献を果たしたことは特筆されるべきである。辺境の地で布教を進める宣教師たちの中に博物学的な嗜好を持ち、本国に多くの標本を送った人たちがいた。我が国の蝶相を学ぶ上で避けて通れない、中国雲南省。ここで活躍した宣教師たちの足跡をたどった力作が発表された。増井氏、玉井氏はそれぞれ中国大陸での調査経験が豊富で、多くの珍稀種をその目で見た幸運な人たちである。今回、両氏は中国雲南省のTsekou(茨姑)を訪れ、フランス人宣教師の足跡をたどった。多くの珍稀種の図版とともに紹介された彼らの発見は胸躍るもので、博物学の時代にしばしタイムスリップできる論文である。

Weixi resized-1.jpg
▲多くの珍稀種が図示されている
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▲プロの記者顔負けの取材力で宣教師たちを偲ぶ遺跡を発見してきた


Kotaro Saito and Yutaka Inayoshi "Descriptions of four new taxa of Hesperiidae from Indochina"

 続いてはインドシナの蝶相に精通した斉藤光太郎・稲好豊の両氏による、セセリチョウ科の新種・新亜種記載。ミャンマー北部カチン州からは驚くべきキコモンセセリ(Celaenorrhinus)の新種を、ベトナムからはオオシロシタセセリ(Satarupa)の2亜種を、タイからはユニークなオオチャバネセセリ(Polytremis)の新種をそれぞれ記載した。広大なインドシナからは小型種ではまだまだNEWが出ると思われ、さらなる探索が求められる。

New skipper from Indochina-resized.jpg
▲オオシロシタセセリの新亜種

 最後に国内で驚くべき貴重な記録が発表された。

五十嵐鉄朗 オオウラギンヒョウモンを1989年に群馬県で採集 

 オオウラギンヒョウモンは生息環境の破壊で全国で衰亡が進み、現在では山口県や九州の一部に辛うじて生息が確認されるだけの希少種となっている。特に東日本での本種の近年の記録はほとんどない。こうした中、五十嵐氏は群馬県で1989年に1♀を採集していたことを発表された。日本鱗翅学会が1993年に公刊した「日本産蝶類の衰亡と保護 第5集」ではオオウラギンヒョウモンの群馬県の記録は「1959年以降記録なし」となっているので、じつに30年ぶりの貴重な記録となる。

nerippe from Gunma.jpg
▲群馬県で1989年に採集されたオオウラギンヒョウモン♀
 
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

Index No.71.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

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東日本グリーン復興モニタリングプロジェクトのご案内 [連絡 / General Information]

 当会の方に告知依頼が来たので、以下のプロジェクトを案内したい。

********告知ここから********

東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト(主催:アースウォッチ・ジャパン

 アースウォッチは、人手が必要な野外調査に、一般市民をボランティアとして派遣することにより、調査研究の人的支援を促進し、一般の方に研究への理解を深めている認定NPO法人です。

 私どもでは東北大学河田雅圭教授の実施されている、東日本大震災からのグリーン復興を目指した
島嶼のチョウ調査を、10年間を目標に支援しております。そこで今年で5年目となる以下の調査にボランティアの調査員を募集しております。
 ご興味のある皆様に、ぜひご参加いただきたく、ご案内差し上げる次第です。

東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト
チョウ調査チーム1
日時:7月8日(金)夕方から7月10日(日)[2泊3日]
チョウ調査チーム2    
日時:8月10日(水)から8月12日(金)[2泊3日]
 チョウの成虫を捕獲し、種類と数を記録します。
 事前にガイダンスを行いますので、どなたでもご参加いただけます。
  
調査地:宮城県 松島湾島嶼 桂島・寒風沢島  
 参加費:16,000円 
 お申込、詳細はこちら
 
アースウォッチとは
1971年米国ボストンで発足した国際的なNGO。研究者の野外調査の現場に、市民を「サイエンスボランティア」として派遣する活動を行う。アースウォッチ・ジャパンは、米国アースウォッチの活動を日本に広げるため、1993年に発足。50以上の国内調査プログラムを運営し、1,500人を超えるボランティアが参加してきた。

********告知ここまで********

Eurema hecabe.jpg
▲津波被災地のキタキチョウ(宮城県名取市 2012年9月14日撮影)
 何の変哲もないキタキチョウ、この1枚にブログ編集子は忘れがたい思いがある。この画像を撮影したのは震災から1年半が過ぎた2012年。津波の被災跡で調査を続ける永幡嘉之さんに宮城県名取市の津波被災地を案内してもらった。ひどく残暑の厳しい日で、津波に洗われて木陰の無くなった林縁でふと出会ったのが1頭のこのキチョウだった。すぐ傍には津波で土台を残すだけになった住宅。津波で犠牲になった人たちの魂が蝶になって現われたのかと思い、静かに心の中で掌を合わせた。

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アポイ岳の小さな妖精 [日本の蝶 / Butterflies JAPAN]

アポイ岳の小さな妖精~ヒメチャマダラセセリ Pyrgus malvae

ブログ編集子の身辺多忙ややる気なし病など諸般の事情でブログ更新が途絶して久しい。この間も過去の記事を毎日多くの方に閲覧いただき、申し訳ない気持ちを感じていた。そんな折、横地会長から助け舟が送られてきた。

我が国では北海道・日高山脈のアポイ岳にのみ細々と棲息するヒメチャマダラセセリ Pyrgus malvae の画像である。国の天然記念物にも指定されている本種は、日本産蝶類の全種撮影を志す多くの人たちにとっては難関である。

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▲棲息地を五合目から望む(右端がアポイ岳山頂)

棲息地のアポイ岳周辺は天候が安定せず、僅かな晴れ間にうまく当たらなければその姿を見ることは困難である。その上、昨今の地球温暖化の影響もあって植生が変化し、個体数がこのところ激減しているという。当会の渡辺康之理事は40年余り前の本種発見に関わって以来、継続的に観察を続けられているが、危機的な状況なのだという。

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▲アポイアズマギクで吸蜜する成虫
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▲ヒロハヘビノボラズで吸蜜する成虫

横地会長はこの難関種の撮影にチャレンジすること3回。過去2回は遠征したにも関わらず強風と雨に泣かされ、空しく敗退。ついに本年5月28日、撮影に成功された。快晴の朝、朝5時に出発。5合目の森林限界から上でついにその姿を見ることができたという。午前7時半くらいから活動を始め、朝のうちは砂礫の上を緩慢に飛ぶので撮影のチャンスがあるそうだ。日が上がると活動が活発となり、アポイアズマギクなどで吸蜜する姿を観察できた。今回、下の画像でヒロハヘビノボラズに訪花している画像があるが、この植物は以前には棲息地では見られなかったという。気候変動の影響なのだろうか。快晴の絶好のコンディションでも目撃できた個体数は僅かで、横地会長は「あの個体数ではちょっとしたことですぐに絶滅してしまいそうだ」とコメントした。

現在、危機的な状況にあるヒメチャマダラセセリを保全する活動も行われていると聞くが、可憐な姿がいつまでもアポイ岳で舞ってくれることを願いたい。

※画像撮影はすべて横地隆。著作権は撮影者に帰属します。画像の無断転用は固くお断りします。
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